ハーブ

ハーブとは

ハーブ(Herb)の語源は、ラテン語で草を意味するHerba(ヘルバ)に由来しています。
地球上の、山や森、野の草、緑の芝生、花壇の草花、熱帯雨林にある植物……。
いったい、植物の中でどんな種類のものをハーブといい、どのくらい種類があるのでしょうか。
思いきり広い意味に解釈すれば、あらゆる植物はハーブといえるかもしれません。なぜなら、ハーブとは「私たち人間の暮らしに役立つ植物」のことだからです。
種類によってはご家庭で簡単に育てて気軽に使えるので、ぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。
一般に広く知られているハーブのなかでも特に、家庭での栽培が可能なものを取り上げてご紹介します。

ハーブの使い道

薬用効果・効能への期待

料理・飲み物の風味付け

香りを楽しむ

食べ物、飲み物の風味付け

料理や飲み物を通じてハーブに親しんでいる方も多いかもしれませんね。
国や地域を問わず、ハーブはさまざまな料理や飲み物の材料として幅広く使われています。
イタリアンでよく使われるバジルやエスニック料理に使われるパクチー、デザートやカクテルに入れられるペパーミントなどが頭に浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
材料となるハーブ独特の風味が味の決め手となっている料理も少なくありません。
肉や魚などの食材の臭み消しや、品種によっては防腐剤のはたらきを果たしてくれるものもありますね。
また、乾燥させてお茶として利用したり、お酒に浸けてリキュールとして使ったりすることもあります。


香りを楽しむ

ハーブといえば、良い香り、あるいは独特の香りを思い出す方も多いのではないでしょうか。
香りを楽しむのもハーブの使い道の一つです。
現在では人工の香料も普及していますが、古くは植物由来の香りが多く使われていました。
ポプリのようにハーブを乾燥させて芳香剤のように使ったり、香水やアロマオイルなどの原料としたり、さまざまに活用されてきました。
香りを嗅ぐことでリラックスできたり、集中力が高まったりするとされているものもあります。


虫除け効果も期待できる

虫は日常生活のなかでできるだけ出合いたくない存在ですよね。
実はハーブのなかには虫が香りを嫌って近づかないものもあります。
蚊やハエ、ゴキブリなど日常生活の中で出合いたくない虫を避ける効果について研究が進められているものもあります。
市販の虫よけだけでなく、ハーブも活用することでより効果的に虫よけができるといえるでしょう。
特にお子さまがいるご家庭では、天然のハーブによる効果で虫よけができるとうれしいですよね。
お庭や室内でハーブを育てることで、市販の虫よけを使わずに嫌いな虫と出合う機会を減らすことができるかもしれませんよ。

ハーブの注意点

とりすぎ注意

ハーブには、品種によって薬効があるとされているものもあります。
多量の摂取は体調に思わぬ影響を及ぼす可能性があるため、摂り過ぎには気を付けるよう意識しておきましょう。
健康に良いとされているハーブであっても、たくさん摂取したからといってその分良い効果が強くなるというものでもありません。
一般的に料理やハーブティーなどに使われる種類・量であれば大きな害があるとは考えられませんが、一度に度を超えた量を摂取するのは避けるようにしましょう。


基礎疾患がある場合や服薬中の場合

基礎疾患がある方や服薬中の方は、特定のハーブを摂り過ぎると体調が悪化したり服用している薬の効きが悪くなったりする可能性があるため注意してください。
例えばリコリスカンゾウ)を長期間多量に摂取し続けると、血圧の上昇を招くとされています。
また、セントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)というハーブはさまざまな薬の代謝に関わっており、薬と併用すると重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
基礎疾患があったり薬を飲んだりしている方は、薬効があるとされているハーブを摂取するときには特に、念のためかかりつけの医師に相談するようにしてください。

アレルギーがある場合

ハーブのなかには、アレルギー症状を引き起こす可能性があるものもあります。
植物に対するアレルギーがある方は特に、ハーブを栽培したり、使用したりする前にそのハーブがご自身のアレルギー反応を引き起こさない品種であることを確認してください。
例えばよく知られるハーブのレモングラスはイネ科、カモミールはキク科です。
それぞれの科に対するアレルギー症状をお持ちの方には利用をおすすめできません。
ここに挙げたのはごく一例なので、アレルギーをお持ちの方がハーブを使う際にはそのハーブが何科に属するものであるのかチェックするようにしましょう。

妊娠中の場合

妊娠中はカフェインを控えた方が良いことはご存知の方も多いでしょう。
ではコーヒーや紅茶を控える代わりにハーブティーを代用としても良いのでしょうか。
「ノンカフェインならハーブティーは妊娠中に飲んでも大丈夫だよね?」
とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに通常の食品として摂取する種類・量であれば妊娠中であっても害はないと考えられます。
ただし料理に使われるハーブも多量の摂取、あるいは濃縮された状態での摂取は体調に思わぬ影響を及ぼす可能性があるため控えたほうが良いと考えられるでしょう。
また、妊娠中の方は摂取を控えた方が良いとされている品種もあるので注意が必要です。
ハーブティーの中でよく知られているもので摂取する際気を付けるべきなのは、カモミールアロエユーカリリコリスカンゾウ)、ナズナなどが挙げられます。


ペットがいる場合

ご自宅でペットを飼っているという方はハーブを育てる際には注意が必要です。
例えば犬や猫は嗅覚が非常に敏感です。
ハーブの香りの強さは犬や猫にとってストレスになってしまうかもしれません。
また、ハーブによってはペットにとって有毒・有害な物質が含まれているものもあります。
天然成分だからといって安全だとは限りません。
人にとっては有用なものであっても、動物の身体にとっては危険なものもあるのです。
例えば犬や猫にとっては以下のようなハーブが有毒だとされています。
【犬や猫にとって有害だとされているハーブの一例】

オレガノ

カモミール

パセリ

ミント

ラベンダー

レモングラス

レモンバーベナ

ここに挙げているものは一例ですが、よく知られているハーブのなかにもペットにとって有害なものがあることが分かりますね。
大切なペットを守るために、ペットを飼っていらっしゃる方がハーブを栽培・使用する際には十分に注意しましょう。

 

【洋食におすすめのハーブ8選】

バジル

ルッコラ

クレソン

パセリ

オレガノ

ローズマリー

タイム

セージ


【和食におすすめのハーブ5選】

シソ(紫蘇)、大葉

ミツバ(三つ葉

ミョウガ(茗荷)

シュンギク(春菊)

セリ(芹)


注意点に気をつけてハーブを楽しんでくださいね