肌トラブル1

皮膚トラブルの原因を探し、改善へ

皮膚の状態がわかったら、今度はその原因をつきとめて、トラブルを解消するためのお手入れを実行します。
皮膚が滑らかさを失う原因を考えてみましょう。
 
季節の変わり目などに、急に肌のかさつきがひどくなったり、赤みやぶつぶつができたり、我慢できないほど肌がかゆくなる・・・など、肌のトラブルをまとめて、一般的に肌荒れと言います。 肌荒れを改善するには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。意識したいポイントと、具体的な改善方法について分かりやすくお伝えします。

◆肌荒れのときに意識したいこと 繰り返し起こる肌荒れを改善するには、肌のしくみや働きを理解しつつ、肌本来のすこやかさをキープするようなお手入れが必要です。特に以下の2つのポイントを意識しましょう。 肌のバリア機能を整える 私たちの肌は、表皮・真皮・皮下組織の3つの層からなっています。なかでも肌荒れを改善するのに重要なのは、表皮の一番外側にある「角層」という部分です。 角層には、肌の外側から刺激や異物が侵入するのを防ぐとともに、肌内側の乾燥を防ぐ「肌のバリア機能」が備わっています。具体的には、角層細胞内の「天然保湿因子(NMF)」と、角層細胞のすきまを埋める「細胞間脂質」がうるおいを蓄える一方、角層表面を覆う「皮脂膜」が水分の蒸散を防ぐことで、このバリア機能を保っています。 バリア機能があることで、肌は強い紫外線や汗、花粉やホコリといったさまざまな異物と接しても、肌の内部までダメージを受けないようになっているのです。この機能をキープするには、肌の水分や油分などの保湿成分を保持するとともに、栄養バランスのよい食生活を心がけることが大切です。 ターンオーバーを正常化させる 肌は一定のサイクルで新しく生まれ変わっており、このサイクルのことを「ターンオーバー」と言います。詳しく説明すると、表皮の奥から新しい細胞がつくられ、約2週間かけて角層へ押し上げられていきます。角層で肌のバリア機能を保つ働きをした細胞は、約2週間後に垢などとしてはがれ落ち、新たな細胞と入れ替わります。 このターンオーバーのサイクルが通常よりも長くなると、古い角層細胞がいつまでたってもはがれ落ちず、角層部分が厚くなって、くすみやざらつき、肌の乾燥につながります。一方、サイクルが短すぎると、天然保湿因子(NMF)がしっかりつくられないまま、未熟な角層細胞が積み重なることで、肌の保湿力やバリア機能も低下してしまいます。 肌のターンオーバーは、日々の食事や生活習慣と密接に関連しています。特に寝不足や無理なダイエット、お酒の飲みすぎや喫煙は、肌荒れを悪化させるので、気をつけましょう。