質の良い睡眠

「眠りが浅くて、夜中に目が覚めてしまう」 「疲れが取れず、目覚めがスッキリしない……」 今、こんな悩みを持つ方が増えています。 この記事にたどり着いたあなたも、同じ悩みを抱えているのではないでしょうか? そして、今までに何かしらの「睡眠の質を上げる方法」を試したことはあるはず。


 「睡眠不足で頭が働かない」と、眠りに関する悩みを抱えている方は、多いのではないでしょうか。実際に、寝る時間が遅くなってしまったり育児で寝る暇がとれなかったりと、現代人は毎日忙しく過ごす時間が多くなっています。 安眠できれば、疲れがとれて毎日楽しく過ごすことができます。できることならしっかりと睡眠をとって、健康的に過ごしたいものです。 不眠は、免疫力の低下や生活習慣病など、さまざまな不調の原因となり、身体に悪影響を及ぼします。この記事では、質のいい睡眠の効果や効果的な睡眠の方法について説明します。良質な睡眠をとって、健康的な身体づくりに活かしてください。
 
睡眠による効果とは 

睡眠による効果とは 睡眠は、疲労回復だけではなく美容や疾病予防にも有効であり、短期間で効果が現れることもあります。 睡眠による効果は、以下のとおりです。 疲労回復 生活習慣病の予防 肥満の防止 ストレス解消や抑うつ症状の緩和 肌質の改善 記憶の定着 上記6つをそれぞれ詳しく見ていきましょう。 
①.疲労回復 「疲れたときは寝るのが一番」と、よくいいますが、医学的にもそのメカニズムが明らかになっています。睡眠には、脳や体の状態によって分けられるレム睡眠とノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠時に、脳から分泌されるのが「成長ホルモン」です。 「成長ホルモン」が出ることで、身体は修復し回復します。理想的な睡眠時間は、6時間から8時間といわれていますが、時間の長さより睡眠の質が高い方が疲労回復に効果的です。充分な睡眠がとれており、体がスッキリと軽くなるのは、成長ホルモンがしっかりと分泌されているためです。 良質な睡眠をとって身体を休めることは、疲労回復に高い効果を発揮します。人間は自覚症状がなくても身体や脳が働き、疲労が溜まってしまいます。身体を休めるためには、睡眠をとることが大切です。 
②.生活習慣病の予防 睡眠不足は、生活習慣病と密接な関わりがあります。 充分な睡眠は、交感神経と副交感神経を安定させて、自律神経の働きを正常にします。自律神経が整うと血圧が安定するため、心疾患や脳血管疾患などの生活習慣病の原因となる動脈硬化を防ぐことが可能です。 睡眠は、生活習慣病の予防において重要なポイントとなります。 
③.肥満の防止 体の中では、食欲を増加させる「グレリン」と、食欲を抑えてエネルギーの代謝に作用する「レプチン」の二つのホルモンが働いています。質の良い睡眠をとることで、食欲をコントロールする二つのホルモンが正常に働きます。これにより食欲のバランスが保たれ、食べすぎる心配がないため、健康な状態を維持できるのです。 しかし、睡眠が不足すると「グレリン」の分泌が過剰になり、「レプチン」が抑制されてしまいます。食欲旺盛になり、エネルギー代謝作用も少なくなるため、肥満になる可能性が高まります。 充分な睡眠時間をとると肥満の防止効果が期待できるのです。 
④.ストレス解消やうつ症状の緩和 睡眠不足が続くと、不安感・抑うつ感・妄想被害などを感じやすくなり、脳の扁桃体が活発化してしまいます。それにより、ストレスや抑うつ、不安障害といった症状にかかってしまいやすくなります。うつとストレスの症状が改善されたとしても、不眠が続くことでうつ病が再発してしまう可能性があるでしょう。 実際に、生活習慣病患者と同様に、うつ病患者もうつ病不眠症を同時に発症しているケースが多くなっています。そのため、根本的な原因である「不眠」を改善することで症状が軽くなり、ストレスからも解放されるでしょう。 質の良い睡眠で、脳内の分泌物質を正常に作用させることで、ストレスが解消され、うつ症状も緩和する効果が期待できます。 
⑤.肌質改善 肌を美しくするためには、脳下垂体から分泌される「成長ホルモン」と、松果体から作られる「メラトニン」のバランスを整える必要があります。二つのホルモンバランスを整えて、肌のターンオーバーを正しく作用させることがポイントです。 眠りに入ってから20〜30分後に訪れるノンレム睡眠中、脳が「成長ホルモン」を分泌します。「成長ホルモン」は、日中に受けた紫外線のダメージや肌への刺激を修復する役割があります。一方、睡眠のためのホルモンである「メラトニン」の役割は、成長ホルモンの分泌を促すことです。高い抗酸化作用があるため、エイジング効果も期待できます。 「美肌は夜つくられる」という言葉があるように、深い睡眠で肌質改善効果が期待できます。ただし、必要睡眠時間をとっているだけで肌が綺麗になるわけではなく、睡眠の質が重要です。 
⑥.記憶の定着 人の脳は寝ている間に昼間受けた情報を整理し、記憶に残す作業を行っています。起きている間に目から入ってきた情報は、「海馬」で一時的に保存され、ノンレム睡眠時に保存された情報が処理されます。必要のない情報や感情は、整理をする必要があるためです。そうして整理された新たな情報は、「大脳皮質」で記憶として残されます。 睡眠は、不要な情報や感情を整理して、記憶力を高める作用があります。